2720161月

筆跡鑑定の限界2 鑑定可能領域と鑑定人の技術

前回の続きです。

鑑定を考えていらっしゃる人の基礎知識として今回の方が重要です。

まず、筆跡鑑定を行うための資料の状態によって

「筆跡鑑定が可能か不可能か」が決まってきます(Bの部分)。

資料が非常に不鮮明であったり、破損していたりしている場合には鑑定を行うことは不可能です。

これらBの領域は鑑定人ごとに若干の差はありますが必ず存在します。

何故差があるのかと言いますと、

不鮮明な資料であっても仕事だからと引き受けてしまう鑑定人もいれば、

誤った結果を導き出してしまう恐れのある資料での鑑定を引き受けない鑑定人もいるからです。

依頼人からすると不鮮明な資料しかない状況の中で鑑定を引き受けてくれることは助かるでしょう。

もちろん、それだけの技術がある鑑定人であれば言うことはありませんが、

そうでない鑑定人の場合、誤った鑑定書で大変な思いをするのは依頼人の方なのです。

私達の仕事は真実の追求ですから、依頼人の希望に添えない場合も数多く出てきます。

それをきちんと依頼人に伝えることができなければ真実の追求からは遠ざかるでしょう。

さらに、もっと重要な部分があります。図を見て下さい。

鑑定可能領域について

鑑定可能領域について


鑑定可能領域のAの部分です。

資料の状態が良好で初めて鑑定はスタートラインに立つわけです。

そして、そのAの中から鑑定人の技術的能力の違いによる鑑定不能領域bが表れてきます。

当然腕の良いロ鑑定人はbの領域が小さく、

資質的に不向きなイ鑑定人はbの領域が大きくなるということです。

そして、この技術の差というのは「個人内変動の扱い方」につきます。

(個人内変動とは・・・人の書く文字はその人らしさの範囲内で多少変化するものです。

その変化の度合いが人によって大きかったり小さかったりすること。その時の気持ちや状況、縦書き、横書き、筆記具などにも左右される)


つまり、個人内変動による筆跡の相違点を

「単なる個人内変動なのか、別人による筆跡個性の違いなのか」見極めるのです。

この技術の差がものを言うのです。

もちろん、鑑定書の精密さは言うまでもありません。

とはいえ、依頼の段階では鑑定人の能力を見極めることはなかなか難しいことです。

リトマス試験紙のようにパッと色が変わるわけではありませんから。

残念ながら鑑定人の見極めは依頼人の危機管理能力にかかっていると言えるでしょう。

私(あくまでも私個人の考えです)は筆跡鑑定を職人技と考えています。

職人は、自分の利益よりも自分の納得のいく仕事内容を優先します。

筆跡鑑定を考えていらっしゃる方は、筆跡鑑定には限界があることを頭の片隅に置いて頂いて、

各鑑定人のHPなどを良く読み、

実際電話等で直接話をして人間性や相性などを確かめることをお勧めいたします。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *