2520161月

筆跡鑑定の限界1 現状制度と筆跡鑑定の質

筆跡鑑定を依頼しようとする方たちにとって、

そもそも筆跡鑑定はどこまでできるのか、

またどこまで信用に値するものなのかということが一番気になる個所だと思われます。

そこで、筆跡鑑定の信用性について私の考えを書きますので、

鑑定を迷っている方やもっと具体的に知りたい方等参考にしていただければと思います。

 まず筆跡鑑定そのものの信用性を否定してしまっては始まりません。

現実問題として刑事、民事裁判では筆跡鑑定書が証拠書類として提出されています。

私自身、筆跡鑑定は科学的根拠に基づいた理論で充分証明できるものであり、

信用性に値するものであると思っています。

しかし、筆跡鑑定は国家資格ではなく、

統一されたマニュアルが定められているわけではありません。

筆跡鑑定人の資質や技術、適性についてかなりのばらつきがあるのが現状です。

ですから、もしすべての自称鑑定人が自由に裁判所に筆跡鑑定書を提出できるとしたら、

鑑定人が自分の利益になる鑑定書を提出することだって考えられ、

裁判とは別の混乱が生まれることになるでしょう。

そうなるのを防ぐ意味もあって国の機関である司法は、

裁判の権威、質、公正さを保つために鑑定人リストから鑑定人を選びます。

つまり、警察OB、科捜研OBなどの元国家公務員に鑑定を依頼することが多いようです。

しかし、ここで私が言いたいことは、鑑定書の信用性は肩書ではなく、

鑑定を行うものの資質、人間性だということです。

なぜならば、元国家公務員だからといって、

すべての人に筆跡鑑定の適性があるとは限りません。

もちろん、民間のどこの馬の骨とも分からないような人間よりは身元はしっかりしているでしょう。

しかし、身元がしっかりしている、ただそれだけの理由です。

もちろん、その中には適性のある方もいらっしゃいます。

しかし、そうでない方たちが鑑定を行っていることも現実なのです。

これが私の考える筆跡鑑定の限界です。ここを今回と次回とで掘り下げていきます。

 

今回をまとめると、

筆跡鑑定は有用で信用性に値するものですが、

鑑定を行う人間の資質や人間性によって内容、結論が大きく異なってきます。

そういったばらつきを防ぐため司法が採っている安全弁としての方法(身元のはっきりした人間に鑑定させる)が

筆跡鑑定書の質の低下につながっていることを否めない現状にあるということです。

現状制度と筆跡鑑定の質

現状制度と筆跡鑑定の質


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