2520156月

筆跡心理学をベースにした筆跡鑑定の重要性 その3

それでは、筆跡心理学で扱う「筆跡個性」とは具体的に

どういったものなのでしょうか。

1を見てください。

図1

図1

A、B、Cのうち2つは同一人物が書いたもので、

残りの1つは別人が真似して書いたものです。

真似して書いたのはどの筆跡だと思いますか?

 

答えは意外な感じがすると思いますがAです。

一見するとBが別人の筆跡に見えるでしょう。

それはBには大きなハネがあり、

A、Cにはハネがないからではないでしょうか。

 

2を見てみましょう。

図2

図2

ここで注目するのは、赤丸で囲んだ部分です。

BとCは第3画の最後と第4画の始めが離れています。

しかしAはここが接しています。

しかもAの書き手は、下からひっかける書き方をしています。

この微細な特徴の違いこそ、書き手の持つ筆跡個性の違いなのです。

文字は半ば無意識に書いています。

そうやって書かれた文字に安定して表れる書き手特有の形が

今述べた「筆跡個性」なのです。

ちなみに、参考までに書道手本と比較しますと、

B、Cの赤丸の部分は手本と同じように離れて書かれています。

ここに手本を持ってきたのは、手本の形が正しい形ということではなく

あくまでも比較するための一つの基準としてです。

逆にいうと、Aは手本とは違う形になっているということです。

確かに文字全体の感じはA、B、Cともよく似ています。

しかし、指摘したこれらの筆跡個性は、

無意識に出てしまうものなので

隠そうと思っても隠しきれないものなのです。

この筆跡個性の違いこそが

Aの書き手とB、Cの書き手が別人だということをほのめかしているのです。

 

次は青字の部分です。

Bには大きなハネがあり、Cにはハネはありません。

ここで個人内変動が登場します。

いくらその人特有の筆跡があっても

人は機械ではありませんから、

判で押したように寸分たがわない文字を書くということはありません。

必ず変動の幅というものがあります。

この同一人物が書く文字の変動の幅を「個人内変動」と言います。

文字にその人らしさを残しながらいくぶん変動するのです。

その変動の幅が大きい人もいれば

ほとんど変化しない人もいるのです。

筆跡鑑定はこの「個人内変動」をどう捉えるにかかってくるのです。

次回に続きます。


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