1220169月

明るく朗らかなテルさんの文字(87歳)


この出前寺子屋もついに4年目に突入しました。

丸3年、いまだ試行錯誤を続けている中で

自分流ですが脳トレの意味を確立しつつあります。

脳トレで楽しい時間を過ごすためには達成感だけではなく、

会話をする、スキンシップをする、などの人とのふれあいが必要です。

だれもが自分に興味を持ってもらうと嬉しいものです。

月に一度のほんのわずかな時間ですが、

その時間だけはみなさんそれぞれが主役であることを感じて欲しいのです。

この3年間、みなさんに助けてもらいながらここまで来ました。

その助けて下さったうちの1人がテルさん(仮名、87歳)です。

テルさんはもともと大柄なかたですが、

ここのところ加齢とご病気が進んでしまいかなり小さくなってしまいました。

今のお姿を見ると胸が締め付けられるようです。

でもそんな中でもいつも笑顔で接して下さるのです。

テルさんは人を楽しい気持ちにさせるすぐれた会話力の持ち主です。

私はその機転のきく会話に今でも助けられています。

テルさんは入所当時から認知の御病気だったのですが、

スタッフの方からそれを聞かされても信じられませんでした。

スタッフのかたが言うには、

たぶん、会話の内容は理解されていないだろうということでした。

にもかかわらず的確な返事をされるのは、

頭が良く空気を読む方なので自然とそうなるのだろう、ということでした。

これはテルさんの人生で培ったもの、

あるいは持って生まれた気質だろうということでした。

テルさんの御病気は見た目とは裏腹に意外と重く、

最近は寺子屋にも参加せずに遠くから見ているだけの事も多くなりました。

寺子屋の内容にもついていけなくなってきているのかもしれません。

でも、参加しましょうと声をかけると笑顔で腰を上げてくれるのです。

テルさんは達筆です。

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豪快な中に繊細さを感じさせる文字はテルさんの細やかさを表しているのでしょう。

プリントにある単語などを書く時テルさんの字は乱れます。

しかし、書き慣れたご自分の名前を書く時は達筆です。

テルさんは、

自分の名前は体が覚えているからちゃんと書けるんだが……、と首をひねりながらおっしゃいます。

同じご病気のかたの中には、テルさんのようにお名前はしっかり書けるかたもいれば、

会話はできるけれどお名前を書くのが難しい方もいらっしゃいます。

共通していることは、病気が進むにつれて生まれ持った気質が非常に強く出てくるのだそうです。

テルさんは本当に皆から好かれる性格の方なのだろうとスタッフのかたは言います。

寺子屋は私達にどのように生きるかを考えさせ、教えてくれる場所なのです。

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